本イベントは、Celonis株式会社 代表取締役社長 村瀬 将思が登壇する基調講演によってスタートしました。
DXの最終ゴール、Autonomous Enterprise(自律型企業)とは
日本は高齢化と労働力不足に直面しており、日本の2022年の「時間当たりの労働生産性」は前年の世界28位から30位に後退しています。こうした課題解決のアプローチに村瀬が提唱するのが、「プロセスファースト」です。これは、デジタル化やツール導入、個別最適化を優先するのではなく、業務プロセスそのものの変革を起点とする考え方で、これがDXの最後のピースとなります。
CelonisのプロセスマイニングのプラットフォームであるProcess Intelligence Graphは、従来のように単一のプロセスにフォーカスして可視化するのではなく、伝票などの「モノ」(Object)にフォーカスし上流、下流および並行プロセスも含めて、実際の業務に沿ったマルチプロセスの可視化、分析を実現します。これは次世代のプロセスマイニングである「OCPM(Object Centric Process Mining)」により可能となり、現実の業務を分析し、改善点を洗い出してアクションを実行、そしてモニタリングを行うことで、これまで見過ごされてきた非効率性を改善し、企業全体の効率化と生産性向上が実現できると村瀬は今回の基調講演で述べました。
さらに、生成AIとプロセスインテリジェンスの融合で、生成AIは、顧客固有のビジネス、業務内容に関するコンテキストを活用することが可能になり、さらにChatGPTのようなインターフェイスにより、IT担当者のような技術専門家だけではなく、実際の業務部門の担当者の誰もが、お客様特有の社内プロセスのインサイト(洞察)を容易に取得することができるようになります。あるべきTo-Beプロセスを定義し、常にプロセスマイニングで取得できた現状のプロセスを照らし合わせることで、そのギャップを埋めるためのアクションを実行することにより、企業の6〜7割の業務をエンドtoエンドで自動化できると村瀬は話しました。
人にしかできない仕事に人材を集中させた上で、その他の業務をエンドtoエンドでオーケストレーションさせることにより、常に生産性を向上し、効率化を図りながら自律的に運営可能な「Autonomous Enterprise(自律的企業)」へと変革していくことが「日本の最後の切り札になる」と村瀬は呼びかけました。続けてCelonisユーザーである企業のエグゼクティブを壇上に迎えました。