「Celonis Day Tokyo 2024」開催—日本企業が意識するべき「プロセスファースト」の重要性イベントレポート第三弾

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2024年7月26日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて「Celonis Day Tokyo 2024」が開催されました。このイベントは、プロセスマイニングのマーケットリーダーであるCelonisが、プロセスマイニングの最新動向を日本企業に対してご紹介するものです。本稿では、各セッションのエッセンスを紹介します。

イベントレポート第三弾では、毎年好評を頂いているCelonisを導入されている実際のお客様の事例講演についてご紹介します。

Celonisのタスクマイニング機能を活用して想定していなかった「問題点」をあぶり出す

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引き続き、NIPPON EXPRESS(NX)ホールディングス株式会社 経営プラットフォーム構築推進室 専任部長の山口 崇幸様が、Celonisのタスクマイニング機能を活用した、同社の業務実態の把握と改善活動について紹介しました。

2023年10月、NXホールディングスは「経営プラットフォーム構築推進室(MPD)」を新設しました。主なミッションは、「SAP S4 HANA」の海外グループ会社への展開や資金・税務プラットフォーム構築などです。MPDにてCelonisのプロセスマイニングを活用することで、どこにボトルネックがあるかが可視化され、改善活動とシステム導入がスムーズに進みました。

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また、特徴的な取り組みに、Celonisのタスクマイニングが挙げられます。同社 経営プラットフォーム構築推進室 次長 福田 和光様はシェアードサービスセンターとして2017年に新設された財務・経理部 経理SSCでの取り組みを紹介しました。

業務集約が進み、組織が拡大する中で、管理者はスタッフがリモートワークをする際の業務実態の把握に苦慮していました。そこで、Celonisのタスクマイニングを活用し、勤怠・生産性の可視化や業務プロセス上の課題の特定などに取り組みました。その結果、特定の業務種類別に、何のアプリをどれくらい利用し、どのような処理をしていたかまで詳細に分析できるようになり、管理者が想定していない真の問題点、課題発見につながったといいます。

山口様は今後の展望として、SAP S4 HANAやAribaなどの海外展開時におけるアセスメントや業務改善活動等にプロセスマイニングを活用していきたいとし、Celonisで導き出した課題をスピーディに解決することで、さらなるシナジーを創出していきたいと締めくくりました。

イーデザイン損保が取り組む、Celonisを活用した事故対応プロセスの改善

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続いて、イーデザイン損害保険株式会社 ビジネスアナリティクス部の古川 まどか様と、同社 事故対応サービス企画部の杉田 那菜実様が、「自動車事故の対応」のプロセス改革にCelonisのプロセスマイニングを活用した事例について紹介しました。

同社は、事故に遭ったお客さまにアンケートを実施、事故対応の品質を顧客の声として収集し、担当者や組織の課題を発見して解決する取り組みを実施してきました。しかし、杉田様は、「アンケートの声を基に改善策を打つものの、なかなか組織全体で人材育成につながる施策を打てなかった」と話します。そこで、ボトルネックの発見や顧客体験(CX)、従業員体験(EX)につながる仕組み作りにCelonisを活用。

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具体的には、事故対応サービス業務における一連のプロセスを対象に、なぜ時間がかかるのか、改善点はどこにあるかをCelonisにて詳細に分析しました。

その結果、「担当者アサイン後、お客さまにコンタクトを取るまでの時間」については、担当者変更などにより初回連絡に2時間以上を要すると、お客さまの満足度が下がることが明らかになりました。この結果を受け、担当者変更が発生してもスムーズに連絡を行う仕組みの整備を行うとともに、連絡手段についても、AIを使ってメール文面を自動作成する仕組み整備の必要性が確認できたということです。

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最後に、古川様はCelonisによって「事故対応のプロセス全体で、担当者1人ひとりにあった改善策が示唆できるようになった」とし、今後はお客さま対応を行う他の業務プロセスについても、Celonisによるプロセス改善を拡大していきたいと締めくくりました。

Celonisを活用した、ERPのグローバル展開時における業務標準化の推進

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続いて、ブラザー工業株式会社 IT戦略推進部 主任の祖父江 広明様が、同グループが推進するERP(SAP S/4HANA)のグローバル展開時におけるプロセス改善、標準化の取り組みを紹介しました。

ブラザーグループでは2000年代からERP(SAP R/3)の導入を進め、2018年当時、全世界で6インスタンスのR/3を活用してきました。各地域で順次導入を進めたこともあり、各拠点の最適化が進む結果に。グローバルで見ると非効率な面もあったため、2019年11月にはCelonisを導入しました。2025年末までに3インスタンスに統合してS/4に移行することを目標に、受注から出荷、請求、入金に至るプロセスの可視化、標準化に取り組みました。

たとえば、米国拠点では、2つのR/3インスタンスの統合を目的にプロセスマイニングを実施したところ、想定以上にアメリカ側のプロセスが多様化、複雑化していることがわかりました。そこで、S/4はアップグレード対応ではなく、新規導入で対応することを決め、あわせて業務の標準化を実施。インスタンス統合とS/4移行費用の抑制という効果を実現することができました。

祖父江様は、Celonis活用のポイントとして「子会社間の機能使用の差異を可視化して、不要・非標準機能を削減」「子会社間のプロセス差異を可視化して、プロセスの標準化を推進」「非効率プロセスを可視化して、業務部門による業務変革を推進」の3点を挙げます。今後は、SAPの基幹システムだけでなく、対象システムを増やし、より多くのデータをCelonisに投入・分析して、プロセス改革を進めていきたいと締めくくりました。

IT部門と業務部門が一体となったCelonis活用、調達業務のプロセスを改善

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続いて、日本たばこ産業株式会社(JT) IT部 課長代理 羽生 紫織様と、株式会社JTビジネスコム 調達G シニアマネージャーの吉田 拓矢様が、JTグループにおける調達シェアードサービスのプロセス改善事例について紹介しました。

JTグループのシェアードサービス企業であるJTビジネスコムでは、調達業務における現状が可視化されていない、業務課題を明確に把握したいという課題を持っていました。一方、JT側では、ITを用いた業務改善やデータ活用をしたいが、あまり実績がないという課題がありました。

そこで、プロセスマイニングツールとしてのCelonisを2021年9月に導入しました。3カ月のPoCを経てその有用性を確認、IT部と業務部門(調達グループ)が一体となってプロジェクトを進行することになりました。

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実運用では、調達担当者の誤った処理があったときに検知するよう「アクションエンジン」のアラートメールを設定し運用改善を行いました。その結果、調達業務の可視化やリードタイム短縮といった効果が確認されています。吉田様は「Celonisのフローチャートはイレギュラーな処理の部分が一目瞭然で、改善アクションに有効だった」と振り返ります。

また、羽生様は、IT担当者の所感として「Celonisはシステム間の接続テンプレートが豊富で、構築がしやすかった」点を挙げました。また、難易度の高いKPI定義に関しては「Celonisの手厚いサポートにより内製運用が可能になったのはありがたかった」と語ります。今後もCelonisのサポートをうまく活用していくことで、データ活用の将来性に期待したいということです。

ゴールが見えないからこそのプロセスマイニング、内部統制プラスアルファのCelonis導入の価値とは

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寺崎電気産業株式会社では、SAP S/4 HANAへのマイグレーションプロジェクトが進行中です。しかし、このプロジェクトを進めるなかで、DX推進に「黄色信号」が灯るようになりました。同社 情報システム部部長 社頭 俊之様は「内部統制強化に伴うモニタリング負荷、そしてISOやJ-SOXといった複数のマネジメントシステムに対応するための複雑な業務プロセスが、DX推進の足かせとなる恐れが出てきたのです」と説明します。

そこで寺崎電気産業は、業務プロセスを整理するため「Celonis」の導入を決定しました。そしてコベルコシステムの支援のもと、PoV(価値検証)を実施しました。当初、Celonisによって可視化されたプロセスを見た業務部門の反応は芳しくありませんでしたが、同社が説得を続けたそうです。コベルコシステム ERPソリューション本部 ビジネスコンサルティング部 データアナリストの山内 洋平様は「Celonisの活用が、在庫削減や内部統制の強化という具体的な課題解決にどう役立つかを丁寧に説明しました」と話します。