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プロセスマイニング導入の手順~成果につなげる4つのステージ~

2020.08.06

KV_プロセスマイニング導入の手順~成果につなげる4つのステージ_jpblog

プロセスマイニングとは、プロセスのデータを収集、業務フロー全体を可視化、ボトルネックや例外処理といった効率低下の要因を特定して業務プロセスを改善、その効果を継続的にモニタリングすることでビジネス成果向上につなげる手法です。

一言で説明してしまうと簡単に聞こえますが、実際に活用し始めるまでには、「どのようにデータを収集・整理するのか」、「問題点発見のプロセスは」、「改善後のアフターフォローは、やりっぱなしにならないか」など、プロセスマイニングソリューションの実施に向けてさまざまなハードルがあります。しかし、あらかじめ手順を理解しておけば、導入の検討や計画の作成にあたってはより円滑に作業を進め、迅速に成果を挙げられるでしょう。

そこで今回は導入手順の全体像を解説します。プロセスマイニング導入について事前に整理しておき、さらに効果的な施策を目指しましょう。

プロセスマイニングの認知度向上や導入は日本国内でも進展

プロセスマイニングはもともと1990年代後半にオランダで誕生して以来、欧州を中心に普及浸透してきた経緯があります。近年、欧米の先進企業で広く注目を集め始めています。当社(Celonis)は、日本では2019年に国内法人を設立し、プロセスマイニングプラットフォーム「IBC(Intelligent Business Cloud)」の提供を本格化させてきました。

世間での注目度向上に伴い、プロセスマイニングについてはさまざまな機会に取り上げられるようになり、組織の生産性向上にまつわる企業の成功事例などが紹介されています。

新型コロナ感染への対応を契機に「待ったなし」で多くの企業が検討を迫られているテレワークも含めた「働き方改革」実現のために、そして、各企業が最優先のテーマとして挙げているデジタルトランスフォーメーション、即ち、ビジネスのデジタル化により自社の生産性を一気に向上させる、その具体的方策としてプロセスマイニングは重要な役割を果たします。

具体的なプロセスマイニングの導入手順を、Cenonis社のプロセスマイニングプラットフォーム「IBC(Intelligent Business Cloud)」が持つ機能をベースに以下にご紹介させていただきます。

プロセスマイニング導入への4つのステージ

プロセスマイニングの導入手順は、大きく以下の4つのステージに分けられます。順番に見ていきましょう。

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実際の導入の検討や導入計画の作成にあたり、それぞれのステージでは、中心となる作業とそのために必要な人員やスキルが異なります。

1. Collect(収集):データの収集とイベントログ作成(担当:ITパートナーとデータエンジニア)

最初のステージは、「Collect(収集)」。データの収集です。SAPやSalesforce、Oracleといったデータソースから、ローデータを取り出し、イベントログを作成します。

具体的には、ビジネストランザクションシステムでは、すべてのやり取りにデジタルフットプリントが残りますが、そうしたローデータをAPIやコネクタを通じて抽出し、リアルタイム連携の確立を行います。

イベントログには、

• ケースID  (注文伝票単位などで発生するID) • アクティビティ(ID毎の処理で発生する受注書の作成、請求書の送付等の作業) • タイムスタンプ(各アクティブティが発生した日時)

の3つの要素が含まれています。IBCではプロセスマイニング技術により、これらを集約しており、何らかの確認事項が発生した際にはすぐさま、組織全体の業務フローを、イベントログを基に構築・可視化できます。その結果、ビジネスの都度の状況変化に合わせて業務プロセスを迅速に把握することが可能になります。

2. Discover(発見):プロセス上の問題点の特定、その原因を発見(担当:データアナリスト、ビジネスユーザー)

イベントログを収集して一挙に分析すれば、従来のヒアリングやプロセスマッピングでは実現しきれなかった網羅性と精度、スピードで、業務フローの全体像の把握が可能になります。

その上で、2 つ目のステージとして、 個別のフロー、バリエーション、エラー、そしてビジネスへの影響などを定量化して、分析します。

ビジネス組織における

• プロセスを非効率化させる摩擦が起きるポイントはどこか (その根本原因は何か) • 最適なプロセスフロー(また、それを逸脱する全てのプロセスフロー経路の洗い出し) • ビジネス成果(是正措置により設定された目標、および得られた成果の進捗)

を特定し、把握できる形に落とし込みます。

その結果、

• プロセスに関連するオペレーションの数 • プロセスに関連するデータや属性の値 • プロセスに関連するアクティビティの数 • そのプロセスでのフロー(パターン)の数 • 各パターンを流れるオペレーションの数

が明確化され、より深度のある分析も可能にしていきます。

さらにAIを組み合わせることで、逸脱プロセスと根本的な原因を特定して以下に挙げるKPIへの影響度に応じて対応の優先順位を評価し設定していきます。

KPI: 納期遵守、 顧客満足度、リスク低減、運用費、自動化率など

3. Enhanse(強化):発見した問題を解決するアクションを起こす。(担当:ビジネスユーザー)

2つ目のステージで明らかになった、プロセスの逸脱や根本原因を解決し、プロセスを強化する。それが次のステージになります。

ビジネスユーザーがこのステージの担当となり、AI と機械学習モデルを活用してトランザクションシステムで強化アクションを実行します。

例えば、

• エラーの是正 • 間違ったアクティビティの削除(または新しいアクティビティの追加) • 手作業の削減 • 標準、ガバナンスの改善 • 自動化率の向上

を目指した対策が行われるステージです。

4. Monitor(監視):プロセスのパフォーマンスと改善の進捗を監視(担当:経営者、管理者)。

最後となる4つ目のステージでは、業務プロセスのパフォーマンス測定と監視です。KPIやビジネスの成果を比較しながら、改善をより進めるためのフィードバックループをまわします。

そのために、

• 目標への進捗についての説明責任をチームに果たしてもらう • リアルタイムでのプロセス是正 • 部門間での改善策の推進協力体制の確立 •さらなるプロセスマイニング施策の需要を高める • 組織の内外への成功例の展開

を行います。プロセスマイニングの推進と実践にあたっては、データアナリストとビジネスユーザーは協力的に業務を遂行しなければなりません。また、プロジェクトオーナーには、部門を横断して業務プロセスを理解している人物の任用が望ましいです。

プロセスマイニングでは以上の4つのステージをサイクリックに継続的に実施していきます。それぞれのステージを適切に遂行できるスタッフの選定は、プロセスマイニングの必要不可欠な導入準備と言えるでしょう。

また、これら4つのステージとは別に、導入プロジェクトに必要な予算のアサインや、人員編成の承認権限を持つ経営層からの支援も必要不可欠です。

効果的なプロセスマイニング導入のために

従前のアプローチでは、業務効率化のためには業務の各担当者へのヒアリングに始まり、業務の棚卸しと整理を行って可視化しなければなりませんでした。しかし、その作業も関係者の経験に依存しており、必ずしも網羅的に現状業務を捉えたものではありませんでした。 しかし、プロセスマイニングツールを導入することで、イベントログにより業務を網羅的に把握し、業務分析作業時間も大きく短縮されます。

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プロセスマイニング市場において世界中で圧倒的シェアを持つCelonis社のツール「Intelligent Business Cloud(IBC)」は様々なプロセスを対象にし、すでに200社以上のグローバル企業で導入され、高い成果を上げています。

また「IBC」には現在、無料エディションである「Celonis Snap」が用意されています。その中には、プロセスディスカバリー(発見)のコア機能や分析ツールが搭載されており、業務プロセスの分析が可能です。

トライアルでの利用や小規模からの導入にも使えます。まずは一度、お試しになってみてはいかがでしょうか。

→Celonis Snap無料サインアップ方法の動画説明はこちらから

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