watsonxとCelonisの組み合わせによる業務効率化

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日本IBMは、2024年9月11日にCelonis社と共同で「生成AIのトレンドと生成AIのプロセスマイニングへの有効活用」ウェビナーを開催しました。

はじめに

本記事ではウェビナーで紹介されたAI活用のためのプラットフォーム、日本IBMのwatsonx Orchestrateとwatsonx Assistantをご紹介し、それぞれをCelonisと組み合わせることで実現される業務効率化について説明しました。

watsonx Orchestrateの概要

watsonx Orchestrateは、デジタルレイバーとして生成AIと自動化を用いてタスクを実行し、日常の業務の生産性を向上させるプラットフォームです。従業員やお客様からの問い合わせだけでなく自動化されたアクションも実行できるようになっています。

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例えば、銀行口座の解約を支援するシナリオでは、従来のチャットボットは口座の解約手順を示すだけでしたが、watsonx Orchestrateでは、システム連携を通じて口座の解約処理まで実行します。

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watsonx Orchestrateには、プリビルドスキルという機能があります。スキルとは、自動化や情報の取得などの処理をチャットを通して簡単に呼び出し、それらを組み合わせることで一連の業務を実行できる機能です。プリビルドスキル(事前構築済みのスキル)により、さまざまなシステムやアプリケーションと連携するスキルをすぐに利用することができます。また、プリビルドスキルにはないサービスについても、OpenAPIに準拠した外部のAPIやIBMの他の製品と接続することで、スキルとして定義することができます。

またwatsonx Orchestrateでは、認証情報の保持も考慮されています。各アプリケーションの認証情報は個別に管理されるため、ユーザーは一度watsonx Orchestrateに接続すれば、煩わしいログイン処理を行わずに各業務を実行することができます。

watsonx Orchestrate × Celonis による自動化の事例

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CelonisのOCPM (Object Centric Process Mining)とwatsonx Orchestrateを組み合わせることで、非構造型データの分析能力を飛躍的に向上させます。この組み合わせによって、より包括的なプロセス分析を実現し、新たなビジネス価値の発見につながることが期待されます。

Celonisとwatsonx Orchestrateを連携させることで、ある企業では、支払い条件に関する包括的な分析を実現しました。Celonisを使用して支払い条件のデータを分析し、発注書、請求書、マスターデータにおける支払条件の不一致を特定しました。しかし、契約書のデータが非構造であったため、これを手動で確認する必要がありました。ここでwatsonx Orchestrateを導入し、契約書のデータを自動的に読み取り、分析することができるようにしました。watsonx Orchestrateは、基盤モデルを提供するwatsonx.aiを呼び出し、契約書のデータを読み取り、Celonisで分析した結果と照合し、必要な修正を提案することができます。例えば、支払い条件が異なる場合、watsonx Orchestrateはその理由を分析し、適切なアクションを提案します。 このシステムの導入により、支払いの遅延が減少し、キャッシュフローが改善され、従業員の手作業が大幅に削減されました。

watsonx Assistantの概要

watsonx Assistantは、AIを活用した対話型の仮想アシスタントを作成するためのプラットフォームです。

このプラットフォームを使えば、直感的なインターフェイスにより、ノーコードまたはローコードで複雑な AI搭載のバーチャルアシスタントを構築することができます。

また、セマンティック検索(※)を可能にするwatsonx Discovery という拡張機能を利用して、ユーザー体験を向上させます。(※セマンティック検索とは、検索文の意味を理解し、文脈に沿った検索結果を提供する技術です。)

watsonx Assistantの対話機能は、watsonx Orchestrateにおいてユーザーガイドや業務実施などのさまざまな自動化をローコードで設計可能な「AIアシスタントビルダー」という機能にも組み込まれており、柔軟な応答を可能にします。

watsonx Assistant × Celonis による運転資本の最適化の事例

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会話型AIアシスタントを構築するためのプラットフォームwatsonx AssistantとCelonisのOCPMを組み合わせることで、専門知識がなくても、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(※)をリアルタイムで分析し、業務プロセスのボトルネックを自動的に特定できるようにな事例があります。
(※キャッシュ・コンバージョン・サイクルとは、売上から現金回収までの期間を表す指標であり、資金調達の安定性等の観点から重要な財務指標です。)

まずCelonisのOCPMを使用して、調達財務や在庫管理など複数の業務を一つのデータモデルに統合します。そして対話型プラットフォームwatsonx Assistantを活用したデジタルツインを用い、会話を通じてより簡単かつ迅速に運転資金の最適化を行いました。具体的には、デジタルツインが非効率的な在庫管理や顧客からの支払いの遅延などを迅速に特定し、具体的な改善策を提示します。この組み合わせにより、企業はキャッシュコンバージョンサイクルを効率的に改善し、運転資本の最適化を図ることができます。