「Process Intelligence Day Tokyo 2026」開催―「Make Enterprise AI Work(エンタープライズAIの実用化)」 イベントレポート第四弾

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Celonisは、2026年7月28日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて、「Process Intelligence Day Tokyo 2026」を開催しました。本イベントでは、「Make Enterprise AI Work(エンタープライズAIの実用化)」をテーマに、AIを業務に定着させて具体的な価値を生み出すためのロードマップや、国内外の先進事例をご紹介しました。本稿では、Celonisのパートナーによる講演内容をご紹介します。
なお、イベント当日の各講演については こちらからご覧いただけます。

パートナーセッション

イベントレポート第四弾では、Celonisのパートナーによる5講演についてご紹介します。

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「クライアントゼロ」で挑むNECのAIネイティブ変革

本ランチセッションでは、日本電気株式会社(NEC) CIO 兼 コーポレートIT・AIイノベーション部門長の中田 俊彦様が登壇し、同社が進める全社変革の「コーポレートトランスフォーメーション」とAI活用の実像について語られました。

NECはIT・制度プロセス・組織を三位一体で改革し、9期連続で期初計画を達成してきました。2026年からは「AIネイティブカンパニー」を掲げ、AIを前提にビジネスモデルそのものを変革していく方針を示しています。

Celonisとは2022年から協業を重ね、プロセスインテリジェンスをプラットフォームの中核に位置づけ、AIエージェントを組み込んでいます。全社員向けAI活用基盤やAIコックピット、SAPのクリーンコアを進めるAIファクトリー、在庫マネジメントなど、Celonisを組み込んだ取り組みが成果を積み上げています。

さらに、同社 取締役 代表執行役社長 兼 CEOの森田 隆之様を模したAI「モリタス」をはじめ、各チーフオフィサーなど経営幹部を模したAIも整備し、日々の意思決定に組み込みました。こうした取り組みの成果として、直近2年間でAIによる業務工数の削減が累計48万時間に達しています。

基幹業務改革では、Celonisと協業するAnthropicのAIを組み合わせた「Apollo(アポロ)」を用いて、海外のSAP基幹業務を対象に改善策を高速に導き出すPOCも進めています。

中田様は、プロセスマイニングからAIが自律的に改善を続ける「エージェントマイニング」への進化を展望。「NEC自身がゼロ番目の顧客となり、成功も失敗も重ねながら、その成果をお客さまのDXに貢献していく」と述べ、Celonisと共に価値創造へ挑む姿勢を強調しました。

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コンテキストで高めるAIのROI — 経営目線で使えるAI基盤づくり

TISI株式会社のランチセッションでは、 同社 ストラテジー&デジタルコンサルティング第2部 部長の本間 貴之様が、AIのROIを最大化する基盤づくりについて、実践面を中心に語りました。

TISIでは社内システムがサイロ化しており、部門横断でデータを分析するには、複数のシステムから個別に抽出・加工する必要がありました。加えて情報の集約や定期バッチ処理がボトルネックとなり、同社は市場の変化に見合うスピードで意思決定できずにいました。

そこで同社では、Celonisを中心に経営ダッシュボードを構築しました。集計後の数字だけでは背景が見えないため、その裏側にProcess Intelligence Graphを連携させて業務の実態を可視化。さらにAIへコンテキストを与え、マネジメントと同じ目線で応答できる状態を目指しました。

このコンテキストの有無が、AIの回答を大きく左右します。経費データだけでは「金額が多い人が危ない」という判断にとどまりますが、予算や仕事の状況まで与えると、計画にない出張など違和感のある利用をAIが的確に指摘できます。本間様は「現場に近い用途からAIと対等に話せる状態を作り、広げていく」と説明しました。

さらにワークフロー制御型のエージェント「Agentic AI Platform」を組み合わせると、AIが参照する情報が絞られ、タスクの成功率向上とトークン消費の抑制、コスト最適化を両立できます。同社はこれらを組織やデータの統合まで含めたAIサービス「IntegriA」として体系化しています。

本間様は「AIを業務ごとの便利ツールにとどめず、経営と同じ目線で相談できる基盤へ育て、自動化や異常検知につなげたい」と展望を語りました。

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成果を出し続ける企業に共通する3つの条件 ― 27社80件の支援から見えた実践知

株式会社システムサポートのランチセッションでは、同社 Value Incubate事業部 事業部長の寺田和孝様が、Celonisで成果を出し続ける企業の共通点について語りました。

同社はCelonis導入支援で27社80件超のプロジェクトに携わり、うち55%(27社中15社)が現在も継続的に成果を上げています。寺田様は、「Celonisは導入しただけで成果が出るものではない」としたうえで、成果を出し続ける企業には3つの共通点があると説明しました。

1つ目はプロセス選定です。最初に着手するプロセスを正しく選び、その価値を証明することが重要です。そのためには、業務を本質的に理解したうえで、「誰が、いつ、何をしたか」を追えるデータが揃っており、改善効果と経営インパクトの大きい領域を選ぶ必要があると説きました。2つ目は変革の意思です。可視化で終わらせるのではなく、発見した改善機会ごとに実行責任者を定め、業務をどのように変えるかまで意思決定することが重要です。3つ目は継続性です。改善が回り続ける仕組みを運用設計に組み込み、経営層への定期報告や次のプロセスへの展開まで見据えることが重要です。

これらの取り組みを支えるには、顧客・Celonis・導入パートナーの三者一体による成果創出体制の構築が欠かせません。実際に成果を出し続けている企業では、承認ワークフローの簡略化によって年間30万回の承認を削減し、1億円以上の価値を実現しています。また、グループ横断で在庫最適化に取り組んだ企業では、年間3億円以上の効果を生み出しています。

寺田様は、エンタープライズAIのボトルネックはAI製品の選択ではなく、業務文脈(ビジネスコンテキスト)を備えたデータにあると強調しました。業務文脈を与えるCelonisこそがその基盤になると位置づけ、「80件超の成功・失敗のパターンをもとに、お客さまが最初に狙うべき1プロセスを一緒に整理するところから始めたい」と、伴走への意欲を語りました。

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AIを経営成果に変える「コンテキスト」 ― 自立型サプライチェーンと手戻りのない基幹DX

アビームコンサルティング株式会社のランチセッションでは、同社 Senior Manager, Sustainable SCM Strategy Unit の小川 早百合様とManager, Enterprise Transformation Business Unit & Management Enabler Sector BME-Digital Finance Transformation Groupの髙橋 宣洋様が2本立てで登壇し、自立型サプライチェーンと基幹業務改革の実装アプローチを語りました。

まず小川様は、原材料や製造、物流、需要、地政学のいずれか一つが崩れるだけでサプライチェーンの計画全体が機能しなくなる変動が、いまや例外ではなく日常になっていると指摘しました。こうした変化のもとでは、判断を一つ誤るだけで調達コストや売上機会の損失、キャッシュにまで影響が波及します。そのため部品の配分そのものが経営判断になっていると、小川様は述べました。

一方で、個人で使うAIや単一のソリューションだけでは、全体の判断には届きません。そこで同社は、業務とデータを横断してつなぐ実践として、2件の支援事例を紹介しました。

1件目は精密機器メーカーの事例です。案件ごとの負荷やスキルを可視化し、AIが顧客価値や納期などから優先度と担当を割り当てます。2件目は在庫最適化の事例です。需要予測の変化と発注済みPOの差分を検知し、数量調整までアラートすることで、過剰在庫を防ぎます。

小川様は、こうした判断を支えるのは「誰が・何を・いつ・なぜ決めたか」まで横断してつなぐオペレーショナルコンテキストだと強調し、続けて「議論すべきはどのAIを入れるかではなく、どのKPIを動かすか。そのためのデータと業務のデザインが第一歩になる」と語りました。

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次に髙橋様は、要件漏れやテストの網羅性、導入後に変革が止まるといった基幹DXの難所を、プロセスインテリジェンス(PI)とAIで克服する道筋を示しました。

要件定義では、システムログから業務の全量を事実起点で可視化し、要件定義書と現状プロセスを突き合わせることで、漏れを早期に検知できます。テストでは、実際の業務パターンをAIがシナリオ化する「プロセス駆動型テスト」を提唱。網羅性を高めながら、手戻りコストを圧縮できると説きました。

髙橋様は、環境や制度の変化に応じてプロセスコンテキストを使いながら改善を回し続ける取り組みを「終わりなき業務変革」と表現。「PIとAIを存分に活用し、皆さまと一緒に次世代のオペレーション変革を目指したい」と語り、セッションを締めくくりました。

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Celonisと生成AIで実現する、ファクトベースの業務変革

スポンサーセッションでは、アクセンチュア株式会社 テクノロジーコンサルティング本部マネジング・ディレクターの郡司 陽介様が、Celonisと生成AIを組み合わせた「ファクトベースAI BPR」による業務変革のアプローチを紹介しました。

郡司様はまず、アクセンチュア自身が長年担ってきた従来型BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)の難しさを説明しました。同社では、コンサルタントが人手をかけてヒアリングを重ねる手法は確実である一方、関係者との日程調整に時間を要し、分析や成果物の品質がヒアリングの質に依存していたと述べました。また、数百人が関わる業務を網羅的かつ継続的に可視化することが難しいという課題も抱えていました。

そこで同社は、現状可視化・To-Be設計・実装・モニタリングの各フェーズに生成AIを組み込むアプローチを打ち出しました。現状可視化では、Celonisで業務をエンドツーエンドに把握し、業務の録画データやマニュアルを自社プロダクトでAI分析して、オペレーションレベルまで分析を深めています。To-Be設計では、自社のコンサルティング知見を学習させたAIが改善策を提案し、施策の取捨選択やROI試算、合意形成は人が担います。実装では、AIが生成する指示書をもとに、ローコードでエージェントを開発します。そしてモニタリングでは、Celonisがトランザクションデータから業務パフォーマンスを継続的に測定し、課題が見つかれば現状可視化に立ち返って改善サイクルを繰り返します。

具体例として、郡司様は購買プロセスを取り上げました。Celonisが納期・数量の遵守率が低いことや注文確認の遅延をボトルネックとして特定し、サプライヤーへの確認・督促対応をエージェント化することで、担当者の負担を軽減できると示しました。

最後に郡司様は、「機密情報の扱いやセキュアな環境構築など課題は多いものの、乗り越えれば業務パフォーマンスの大幅な向上が見込める」と述べ、セッションを締めくくりました。

→ イベント当日の各講演については、こちらからご覧いただけます。