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DXの道標「プロセスマイニング」と出会う、Celonisワールドツアーイベント開催!!前編

2020.11.25

WT Japan Title Image

2020年11月11日、プロセスマイニングのマーケットリーダーであるCelonisのオンラインイベント「Celonis World Tour 2020 – Japan」が開催されました。このイベントでは、日本で先進的にプロセスマイニングに取り組んでいらっしゃるお客様の導入事例として、まずSmartHR様、次にミスミ様、最後にKDDI様にご登壇いただき、各社様の導入に至った経緯やプロセスマイニングがどのように業務改革に貢献しているか、生の声で語っていただきました。

またCelonis CEOによる最新ストラテジーのアップデートや、 新製品のデモなど、業務改善やDXを成功に導くための最新情報をご提供いたしました。

本稿では、各セッションのエッセンスを紹介します。

WT Japan Keynote Kobayashi-san

 Celonisは以前から欧米各国でWorld Tourを実施してきました。日本ではこれが初めての開催となります。共同CEOであるBastian Nominacherと日本法人社長の小林 裕亨によるご挨拶のあと、基調講演がスタートしました。

1-1基調講演:「Celonis Execution Management System」(Celonis EMS)について
~ビジネスの成果を現金化するまでに、どれほどのムダなプロセスが存在しているのか?~
Alexander Rinke  Founder & Co-CEO Celonis

 RinkeからはCelonisが新たに開発したビジネスマイニングツールの進化系ともいえる「Celonis Execution Management System」(Celonis EMS)について解説しました。

WT JP Keynote Alex

 Celonis EMSは日々稼働する多様なシステムに接続して横断的にデータを収集し、ファクトベースで実際のビジネスプロセスを可視化、分析する従来のビジネスマイニングツールの役割をさらに進化させたものです。分析した結果を反映して、プロセスを簡単に自動化したり、シミュレーションを繰り返したりすることで成果をより確実なものにしていきます。Microsoft Office、Salesforce、Oracle、SAPなどのアプリケーションを統合されたプラットフォームで自由に操作することができます。

 Rinkeは次のように話します。

 「Celonisのユーザーの多くはブレークスルーを達成し、ビジネスのExecution Capacityを拡大してきました。Execution Capacityとは、物事をなし遂げる能力を時間と労力とコストで割ったものと定義された指標です。ビジネスの世界では、いたるところでExecution Capacityが解放されることなくロックされた状態になっています。Execution Capacityをロックし閉じ込めているものの中で最も強烈なものは、硬直的で断片化されたITシステム群といえるでしょう。多くの企業では、ビジネス成果を最終的に実現するために、Microsoft Office、Salesforce、Oracle、SAPなどさまざまなアプリケーションを活用するプロセスを経過させています。各プロセスを通過するごとに何十枚ものエクセルシートが利用されます。この過程で各プロセスは接着剤で複雑に固定されたような状態になっているのです。Celonis EMSはこの固定化されたプロセスを解放し、Execution Capacityを最大化します」

 Rinkeは、Celonis EMSはプロセスとシステムの最上位に位置し、リアルタイムにビジネスのExecution Capacityを解放していくツールだと定義しています。Celonis EMSは、独自のマイニングエンジンであらゆるシステムからリアルタイムデータを取得し、それらを分析することで今何が起きているのかを把握します。そしてExecution Capacityを最大化するために、自動化エンジンによってさまざまなアクションを設定して実行していきます。

 「これら2つのエンジンの上には『Celonis Studio』があります。これはCapacityがプロセスのどこに閉じ込められているかを分析し、さらに戦略を実行するツールです。Capacityが閉じ込められている場所を特定し、解放するために、何が必要なのか、同業他社のベンチマークはどんなものがあるのか、などユーザーに必要なものを提供していきます。さらに定められた戦略を多くの人に伝え、共有させていくマネジメント機能、そしてさまざまなアクションを設定し、ワークフローを策定する機能、自動化を管理していきます」(Rinke)

 「Celonis Studio」は「Execution Instrument」「Execution Apps」という2つのレイヤーで管理され、組織内各人員が同じビジネスコンテクストの中で業務を実行できるようにプロセスを配置します。これにより、ユーザーは、確実に複雑なプロセスを変更し、すべての社内ユーザーと共有し、素早く顧客にサービスを提供できるようになるのです。

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1-2基調講演:「Execution Instrument」「Execution Apps」について
~硬直したシステムから従業員を解放するためのアプリケーション開発を~
Hala Zeine  Chief Product Officer Celonis

WT JP Keynote Hala

 「Execution Instrument」は例えば未回収の売掛金に関する情報をアプリケーションから収集し顧客へのリマインダーを送るといった一連の動作を自動的に行うといったプログラムをユーザー自身が開発するのに利用されます。また「Execution Apps」は一連の動作を組み込んだプログラムの中で汎用的なものをパッケージ化したアプリケーションとなっています。

 Zeineは次のように話します。

 「Celonisは我々の製品を利用している、いくつものユーザー企業とともに、こうしたアプリケーションを作ってきました。そのアプリケーションによって、ある企業の集金担当者は、常に直近で優先してアクションを起さなければならない顧客をリストアップでき、電話を掛け、返事の期日を入力することで、会社のERPに格納されている顧客データを更新できます。また、約束の期日に入金がない場合は、自動的にフレンドリーなリマインダーメールを送付できるのです」

 このような個別の顧客向けにアプリケーションを開発し続けてきたCelonisは、もっと多くのユーザーが自由にビジネスマイニングによって最適なプロセスを定着させるためのアプリケーションを作成、利用できる環境を提供するに至ったのです。

 「多くのビジネスパーソンが、自社内の硬直したシステムの中で、どうすれば効率的に素早く顧客の役立つサービスができるのかを模索しています。しかしCelonisは、すべての企業のあらゆる部署に対し、独自のアプリケーションをご用意することはできません。だからこそ、その会社の業務自体やシステムに精通した人たちが、共同でアプリケーションを作成できる環境をExecution Instrument、Execution Appsとして提供することにしたのです。Execution Apps上で利用されるアプリケーションは EMS App Storeで広く共有できるよう取り組んでいます。これにより多くの働く人たちがExecution Capacityを向上させることができます」(Zeine)

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1-3基調講演:「Integromat」について
~ビジネスで利用するすべてのアプリケーションとシステム間を自動で連携し、複数のアクションを設定~
Alexander Rinke  Founder & Co-CEO Celonis

 次にRinkeは、近頃Celonisが買収したIntegromat社の驚異的なソリューションについて紹介しました。

 「Execution Capacityの最大化には、簡単に各アプリケーションを連携させることができる技術と、さらにプロセスを自動化させる技術の2つが欠かせません。そしてついに、この分野で従来の考え方をすべて塗り替えてしまうような、素晴らしいテクノロジーに出会いました。それがIntegromat社のテクノロジーです」

 Integromat社は、創業まもなく前年比400%という驚異的な成長企業となり、400万人のユーザーコミュニティを形成するまでに至っています。

 Integromat社の創業者の一人でありCEOのOndrej Gazda氏は次のように述べます。

 「Celonisが『Celonis EMS』によってプロセスの分析ソリューションからビジネスプロセスを操作、管理する分野にまで進出してきたことで、極めて深い接点があると認識することができました。今後はIntegromatの技術を利用して、ユーザーにより高い価値を提供していきたいですね」

 もう一人の創業者でありCTOのPatrik Simek氏は、「自動化プラットフォームの提供の次に必要となるのは、自動化テクノロジーをさらにインテリジェント化させ、ビジネスコンテクストにさらに浸透させていくことです。CelonisのEMSプラットフォームとIntegromatのテクノロジーを融合させることで、この目標はすぐさま実現できました」と続け、簡単なデモンストレーションを行いました。

 それは、さまざまなエクセルのデータやSAPのデータをつないだ「ネット販売プロセス」でした。このプロセスは進行していく途中で、500万ドル以上とそれ以下の注文によって、プロセスが分岐され、それぞれのケースで必要なメール発信に関するプロセスを簡単に自動化できていました。また、変更する場合も個別のプロセスのボタンを移動させ、別のものつなぎ合わせることだけで済ませることができます。

 これを見て、Rinkeは次のように話します。

WT JP Keyonte Integromat

 「Integromatの素晴らしいところは、ITの専門家に頼ることなく、ビジネスプロセスを簡単に構築、変更できると同時に、従来のRPAテクノロジーにありがちな『ボットの脆弱性』を克服しているところです。2つの課題をクリアすることで、構築したプロセスを全体のコンテクストにすぐに浸透させることができます。コロナ禍のなか、ネットでの販売を拡大させていこうというユーザーは、Integromatのテクノロジーによって、自社にとって最もふさわしいネット販売のプロセスを構築することができます。そして『Celonis EMS』によって、そのプロセスの実行を管理し、適切なデータ抽出や他のプロセスとの同期を実現していくことが可能となります」

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1-4基調講演:会社の中で何が起きているかを把握している人はだれもいなかった
~自分のしていることを理解することは、誰でもできる最も重要な仕事~
Steven Levitt 氏 Economist, and co-author, Freakonomics Series VIP Guest Speaker

WT JP Keynote Steven

 基調講演の最後に登壇したSteven Levitt氏はシカゴ大学経済学部の教授であり、TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」の1人に選ばれた知識人です。最近では「ヤバい経済学」(共著)でも知られています。

 氏は自身がコンサルタント時代に関わったあるプロセス改善案件の成功体験について話します。

 「ある製薬企業のコンサルティングを担当したときの話です。その会社で開発している新薬の開発スピードをどうすれば向上できるか提案せよ、ということでした。わたしは業界のことなどはまったく知らず、何をどうすればいいのか分かりませんでした。空回りの行動を続ける中、日本の工場を視する機会を得て『カイゼン活動』を知りました。そして帰国し製薬企業で『この会社のクリティカルパス図はありますか?』と聞いてみたのです。すると誰も持っている人はいませんでした。つまり、会社の中で何が起きているかを把握している人はだれもいなかったのです」

 氏は社内をたずねてまわり、数カ月かけて「プロジェクトの進行にもっとも影響を及ぼす重要な作業経路図」である新薬開発におけるクリティカルパス図を手書きで作成しました。しかし、当の製薬会社の人たちは全く興味を示しませんでした。

 しかしLevitt氏はその図を作成したことで、新薬の開発で最も重要な作業工程は3つくらいに絞られることを発見しました。そしてそれらのプロセスを高速化できれば、100万ドル以上の価値があると気づきます。

 そして氏はある担当者に対し「あなたが来月行う作業は、極めて重要なもので、できるだけ素早く済ませると大きなメリットがある。だから、来月は毎週土曜日も出勤しそれが済んだら代休をとってもらえないか」と持ちかけました。するとその担当者は「毎週昼食にピザをごちそうしてくれるならいいよ」と答えたのです。

 会社は「そんなことをしていい、というルールはない」と難色を示しましたが、Levitt氏が「ピザ4回分は50ドルくらいでしょう。それさえオーケーすれば99万9950ドルの利益が出ますよ」と説得し、実際に土曜出勤をしてもらったところ、本当に利益が出て「100万ドルのピザ」という伝説が生まれたそうです。

 最後にLevitt氏は次のように締めくくりました。

 「自分のしていることを理解することは、誰でもできる最も重要な仕事です。このことが分かっている人たちは常にプロセスを理解し、その改善のために戦っていることでしょう。そしてわたしの『100万ドルのピザ』よりももっと価値の高い仕事を成し遂げていることでしょう」

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-> イベントレポート後半はこちら!

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