導入効果:業務自動化により年間160人日程度の工数削減を達成
Celonisを活用した新しいシステムには、以下の5つの機能が実装されている。
① サプライヤーへの発注未受領リマインド
発注から1週間以上アクションがない場合、自動でリマインドメールを送信。
② サプライヤーへの請求書登録リマインド
納品後の請求書登録を自動検知し、未登録の場合はリマインド。
③ 社内発注者への承認リマインド
請求書登録済み案件に対し、承認未実施の場合は自動通知。
④ 異常値検知
品目ごとの平均数量から逸脱した発注や、一定の閾値以上の高額案件を抽出。
⑤ 一人承認の検知
発注者と承認者が同一人物の場合、適切な上長承認を促すリマインドを送信。
これらの機能は従来の独自システムでは実現できなかったものであり、業務の自動化と精度向上に大きく貢献しているという。
「これまでの属人化した内製システムには業務持続性に懸念がありましたが、Celonisの導入によってロジックを明文化できたとともに、データ加工から自動発報まで1システムに統一されたことで業務持続性が高まったと考えています。導入から約半年間にわたる業務モニタリングの結果、年間160人日程度の工数削減を達成するという定量的な効果も確認できました」(寺尾氏)
「メール案内の精度向上と毎日の自動処理により、発注・受注・請求書登録・承認といった一連の業務で滞留やミスが減少し、業務が自然に流れるようになったことが効果の証だと実感しています」(銅野氏)
「取得難易度が高い個別伝票の最新ステータスについても、Celonisの自由度が高いデータ加工機能によって正確に取得できるようになりました。結果的に無駄な督促業務も削減できています」(キリンホールディングス 調達部 設備グループ 主査野口泰弘氏)
Celonis導入プロジェクトの成功は、調達部のマネージメント層からも高い評価を得ている。
「システム設計は、ユーザー側の『システム構造・制約の理解』と、開発側の『調達業務の理解』が、成果物の価値を大きく左右します。今回のプロジェクトではキリングループの調達業務フローをアビームコンサルティングにしっかり理解していただき、システムの構造や制約を分かりやすく伝えていただいたこともあり、想定より早く期待以上のシステムが出来上がりました。調達部では成功と呼べるプロジェクトとなったと評価しています」(キリンホールディングス 調達部 主幹 田中政広氏)