ソリューション:「映像AI×Celonis」で物理世界をデータ化
人の動きを可視化するため、NECが選んだのがプロセスインテリジェンスソリューションを基盤とする「Celonis」の活用だ。しかし、Celonisは、ERPなどの情報システムに蓄積されたイベントログを取り込んでプロセスを可視化するプラットフォームである。システムを持たない現場作業員の動きを、どうやってCelonisに取り込むのか。
コンサルタントの座波佑爾氏は、NEC独自のアプローチを次のように説明する。
「そこに当社の映像AIを掛け合わせました。映像AIで人の作業をカメラ映像からデータ化し、ログに変換し、Celonisでシステムから人の作業までのプロセスをエンドツーエンドで可視化し、改善につなげることができます。これが本アプローチならではであり、最大の特徴です」
実証において、最初の観測点として選ばれたのは、物流の入口であり、人が滞留しやすい開梱エリアだ。現場にカメラを設置し、作業員の動きを「開梱」「歩行」「運搬」といった8種類の作業に自動で検知・分類させた。技術的な工夫も凝らされている。
「どういう動きをすれば『運ぶ』と定義するかをAIに学習させる必要がありますが、細かく取りすぎても分析が煩雑になります。そこで、価値創出に直結する主作業と、それを支える付帯作業に分類し、適切な粒度でCelonisに取り込むことで、現場の実態をデジタル空間に再現するデジタルツインを構築しました」(日本電気株式会社 コンサルティングサービス事業部門 ビジネスアプリケーションサービス統括部 データドリブン・プロセス変革グループ コンサルタント 座波 佑爾 氏)
Celonisは、作業の順序や回数、所要時間を1つの基盤で可視化し、その分析・ダッシュボード化まで完結できる。座波氏は「システムに依存しないデータ基盤として、AIとの親和性が高い点も強みだと感じています」とCelonis活用のメリットを語る。