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海外のプロセスマイニング導入事例

2020.09.03

まだ日本では、プロセスマイニングと言っても、その仕組みの理解があまり進んでおらず、導入の検討にあたっては、多くのお客様から他社の導入事例を知りたいとのリクエストを頂きます。Celonisはドイツを本拠としており、これまでにドイツをはじめヨーロッパの数々のグローバル企業で実績を築いており、さらにアメリカでもその活用が広まりつつあります。

今回は、Celonisが2020年4月にドイツ・ミュンヘンとアメリカ・ニューヨークからウェビナー(Webセミナー)として開催したユーザーカファレンス「Celosphere Live 2020」でも発表された、各分野のグローバル企業における導入事例をご紹介します。

これらをご参考に、是非、日本の企業の皆様にもプロセスマイニングが、業務改革、そしてデジタルトランスフォーメーション時代の可能性を拡げるツールであることをご理解いただき、導入をご検討をいただければ幸いです。

海外のプロセスマイニング導入事例1:ABB

ABBは本社をスイス、チューリッヒに置き、世界100か国以上に14万人の従業員を擁し、電力機器や産業用ロボットなど幅広い野で世界をリードするエンジニアリング企業です。

課題:複雑化した社内サプライチェーンをエンドツーエンドで“見える化”したい

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多国籍企業であるABBは、その規模拡大に伴い組織やシステム、ネットワークなどの構造も複雑化していました。稼動しているERPシステムは40を超え、他にもグローバルやローカルベースのシステムがいくつも存在しています。

そのような環境下では、業務プロセス改善に取り組むにあたり、ビジネスの現状把握さえ困難な状況でした。そこで、グローバルサプライチェーン全体の状況をリアルタイムに把握し改善策を講じるべく、プロセスマイニングを導入することにしました。

導入手法:幅広い業務プロセス・システムをシームレスに分析

ABBの業務プロセスは多岐にわたり、P2P(購買から支払いまで)やO2C(受注から入金まで)、AP/AR(買掛金・売掛金)、IM(在庫管理)、S&OP(販売・業務計画)など、数多くの業務プロセスがCelonisのプロセスマイニングを適用した可視化、分析、そして改善の対象となりました。

ABBではプロセスマイニングの実施にあたっては、まずあるプロセスを実行する際に、各種システムで発生するシングルプロセス領域を横断的に結び付けました。メインシステムや主要システムの役割をプロセスの観点から把握したのです。

さらに、データの視点でそれらを結びつけて監視することで、グローバルベースでのエンドツーエンドのプロセスの視点の下で、さまざまなシステムやプロセス領域間を点で結べるようになりました。

これにより、各プロセス領域同士がどのように関係し合っているのか、またエンドツーエンドのデジタルバリューチェーンのなかでそれぞれがどのように機能しているかを把握できるようになりました。

さらには機械学習を活用する、CelonisのPrescriptive Analyticsを用いて、過去の統計値から供給品の納期遅延の可能性アラートを出し、早めに対応を講じるなどの改善をしていけるようになりました。

導入効果:グローバル規模での業務プロセス改善を実現

ABBでは、プロセスマイニングを導入してグローバルなサプライチェーンをエンドツーエンドで可視化できたことで、トップダウンだけでなく、ボトムアップにより、営業所や製造工場、サービスセンター、流通センターといったあらゆる現地組織の全スタッフが、それぞれのプロセスの透明性を高めて業務改善に取り組めるようになりました。

現在、各地域、各部門において幅広い視点からの業務プロセスの改善を進めるとともに、これらの成果を共有してグループ全体で価値向上を実現。将来的には、さらなる顧客サービスの改善に向けてリアルタイムでのデジタル化されたサプライチェーンネットワークへの移行を考えています。

事例ビデオはこちらです。

海外のプロセスマイニング導入事例2:BMW

ドイツのグローバル自動車メーカー、BMWでは、プロセスマイニングを柔軟でスピーディーなIT改革を推進するためのカギと位置づけ、幅広い業務に適用しています。

課題:お客様を満足させるためトップクラスのプロセスを導入する

BMWの目指す「ドライブの楽しさと、素晴らしいドライブ体験のお客さまへの提供」を実現するには、BMWグループ全体で、スムーズで摩擦のない世界トップクラスのプロセスを導入することが必須であると考えています。

その達成のために、プロセスマイニングセンターオブエクセレンスは、各従業員がデータをベースにプロセス判断を下せるようにしたいと考え、プロセスマイニングの活用を推進しています。

導入方法:導入は1つの工場からスモールスタート、活用法を習熟し全社展開

BMWでのプロセスマイニングへの取り組みは当初、比較的に小規模なものから始まりました。まずは2017年に、ミュンヘンの塗装工場にプロセスマイニングを導入。ツールの使い方や、どのデータから何を分析するのか、どんなKPIを設定するのか、分析結果をいかに現場の改善につなげるかをひとつひとつ学びながら導入効果を測定しました。

数週間後には品質向上などの成果が明らかになり、より多くの組織・プロセスに対象を拡大が図れることになりました。現在では、専門チームのもとに部門を横断する約40以上もの業務プロセスで実施し、約850人がトータル10テラバイトに及ぶデータを解析、業務改善に役立てています。

導入効果:“税関申請の不備低減”や“製造物流の遅延削減”など成果が続々

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BMWでのプロセスマイニングの導入の成果は多岐にわたり、関税や物流、製造、ユーザー体験から生産コストまでさまざまです。

たとえば、「関税」については税関への提出情報に不備があれば、通常よりも多くの関税を支払う必要が生じてしまいます。プロセスマイニングにより、サプライヤーによる納期遅れなど、不備が出るケースを洗い出すことで、こうした事態を最小限に抑えました。

「製造・物流」も成果を得られたテーマで、遅延が重要なコスト要因と見られる分野です。プロセスマイニングによって、スループット時間の改善や在庫管理の適正化など、さまざまな改善プロジェクトを実施し、不要なコストを抑制しました。

今後さらに、BMWはデータをBMWクラウドデータバブ(CDH)へ移行し、Celonisの Intelligent Business Cloudを活用する計画です。

ほかにも機械学習やRPAともプロセスマイニングを組み合わせた事例を増やすことで最適な活用法を模索します。発展的な取り組みとして、価値創出プロセスをエンドツーエンドでデジタルツイン化することで、さらなる成功を目指しています。

海外のプロセスマイニング導入事例3:Deutsche Telekom Services Europe

ドイツテレコムサービスヨーロッパ(以下、DTSE)は、欧州最大の通信事業者の一つ、ドイツテレコムのBPO子会社です。グループ内のシェアードサービスセンターとして機能しており、調達業務全般を対象にプロセスマイニングを導入しています。

課題:5G時代への対応を図り、業務プロセスのデジタル化・自動化の推進

DTSEは、欧州4カ国、10拠点に3800人の従業員を擁し、グループ内のシェアードサービスセンターとして、購買の申請から発注、支払いまでを一括運用することで、グループ全体の効率化やコスト競争力を持つことを重視していました。しかし近年、通信各社は5G時代に対応するための膨大な投資を要しており、DTSEにもさらなるイノベーションが求められるようになりました。

そこで、調達に関する一連の業務プロセスをエンドツーエンドでデジタル化・自動化する取り組みを推進することとしました。その一環としてプロセスマイニングが導入されました。

導入方法: 3つのステップでProcess Bionicsを実践

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DTSEでは、調達プロセス改善に向けて私たちが「Process Bionics」と呼ぶ、ビジネス、プロセス管理、データ分析担当者が協力し、Celonisを使用してエンドツーエンドプロセスを調査する手法のもと、以下3つのステップで調達プロセスをエンドツーエンドで可視化しました。

ステップ1:KPIによる継続的モニタリング

自動化率やリードタイムなど60に及ぶKPIを設定し、日々の業務に落とし込んで継続的にモニタリングすることでデータドリブンな組織運営を可能にしました。

ステップ2:リアルタイムでの例外処理の効果的な抽出

業務プロセスをリアルタイムで可視化し標準プロセスとの差異を抽出することで、イレギュラーな業務や例外処理などを効果的に抽出し、改善を可能にしました。

ステップ3:リアルタイムアラートによる改善の促進

不適切な業務や義務違反が生じた場合はリアルタイムにアラートを発信し、改善を促します。また、アラートの件数や内容をデータとして蓄積し、今後の組織的な対策につなげます。

導入効果:P2P(購買から・支払いまで)ビジネスレポートや二重支払抑制で成果

DTSEでのプロセスマイニングの導入では、挑戦的なさまざまな課題と取り組み、その成果が出てきています。

具体的には、「P2Pビジネス報告」では、P2P、調達プロセス関連の情報のための統一的なソースを得る課題がありましたが、必要不可欠な情報をすべて含む一つの包括的な報告の作成が可能に。ストリームをハンドリングするための適切なプロキュアメント情報を手にし、透明性の強化に結び付けられました。

またベンダーへの二重支払いは不要なキャッシュアウトのリスクであり、課題となっていました。

これに対して、高度な分析機能により支出を比較することで、二重支払いを特定。現金の支出を抑制し、300万ユーロもの現金を節約できました。今後は、調達プロセスから買掛金プロセス、Buy-to-Scrap(計画、構築、メンテナンス、そして廃止)プロセス、人事、監査・コンプライアンスへとプロセスマイニングを導入する対象業務を拡大していきます。

事例ビデオはこちらです。

海外のプロセスマイニング導入事例4:Lufthhansa CityLine

ドイツの航空会社大手のルフトハンザドイツ航空の子会社で独国内・欧州地域航空会社であるLufthhansa Citylineの事例です。プロセスマイニングは製造業向けのツールだとのイメージを抱く向きもありますが、サービス業である同社は、定時出発率を高めて顧客満足度を向上させるために活用しています。

課題:すべてのフライトを定刻通りに運用するために

定刻通りのフライトを保証できるかどうかは、航空会社の顧客満足度を大きく左右します。

そこで、同社は「PROMOTE(PROcess Mining for OperaTional Excellence)」と名付けた業務プロセス改善イニシアチブを立ち上げ、まず、2019年秋にミュンヘン空港でプロセスマイニングによる改善に着手しました。

導入方法:3つの柱を、フライトを支える全業務プロセスに適用

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PROMOTEは、燃料補給、清掃、ケータリング、次の運行に供えた到着便の荷物の取り出し、乗客の搭乗、荷物の積み込み、プッシュバックまで、空港における全ての地上業務の動きをAIによる画像解析でデジタルデータに落とし込み、以下の3点を柱に実施されました。

1.継続的な改善プロセスを行うモニタリング機能「Digitized lean」

2.柔軟な働き方によるアジャイルな業務遂行

3.理想とする「To-Beモデル」と実際の業務プロセスとの自動比較

同社はミュンヘン空港で2019年の秋にスタート。7月から11月まで5万件ものフライトデータをもとにプロセスマイニングで、複雑な一連の業務プロセスを分析しました。

導入効果:遅延の要因を解明し、適切な対策によって定刻通りのフライトを保証

プロセスマイニングによってフライトを遅延させる要因が解明され、対策を実施することで高い成果をあげることができました。例えば、乗客の飛行機までの移動時間については、バスから徒歩による移動に変更することで、1便当たり2分、PROMOTEトータルで2018年と比較して約300,000分の削減を実現しています。

現時点では、新型コロナの影響による便数減もあって、定刻通りのフライト100%を達成できていますが、通常の便数に戻っても維持できるよう、AIによる動画解析を活用して作業単位での業務分析にも取り組むなど、より多くのプロセスに拡大しています。

事例ビデオはこちらです。

今回、紹介した4つの事例については、7月に日本で開催されたユーザーカンファレンスWEBセミナー「Celosphere Japan 2020」で、日本語吹き替えで、紹介されました。導入事例や導入プロセスなどについて、より詳しく知りたいという方は、是非、ご視聴ください。

CelonisユーザーカンファレンスWEBセミナー(アーカイブ配信)

「Celosphere Japan 2020」

2020年7月28日(火)~ 2020年10月30日(金)

https://www.celonis.com/jp/celospherejp2020

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