Close
Man Hitting Head on a Keyboard

システム移行が失敗する7つの理由とその回避方法

TOPICS一覧に戻る

2021.04.09

システムの移行には多くの体力が必要なだけでなく、無数のリスクと潜在的な落とし穴があります。もしこれがあまりにも身近に聞こえるならば、心に留めておいてくださいーあなただけではありません。

数ヶ月に及ぶ計画のプレッシャーとストレス、大規模プロジェクトでの失敗への恐怖、膨大なコストと範囲の拡大は、経験豊富なITリーダーやビジネスリーダーでさえも眠れないほどのものです。ドイツの製菓会社、Hariboの移行を例に考えてみましょう。SAP S/4HANAの移行によってサプライチェーンに混乱が生じた際、Hariboは注文に対応できず、2018年には25%の収益を失いました

そう、代償は大きいのです。プロセスの定義が不十分であったり、ワークショップでのビジネスユーザーの選出が間違っていたり、古いやり方にしがみついている融通の利かない従業員が居たりと、一歩間違えれば、移行プロジェクトはトランプのカードで作った家のように崩壊してしまう可能性があります。

実際に、ガートナーによると、ERP投資の実に60%は、何らかの意味でビジネス上妥協をしているので、投資は失敗したと捉えられています。システム移行のリスク、課題、および利点についての詳細を学ぶために、システム移行についての6つの戦略を定義する統計をお読みください。

コストのかかる様々なリスクや顕在化していない障壁を伴うため、移行の失敗はよくあることです。成功するために必要なリソースと知識を備えていなければ、ビジネスの成果に悪影響を及ぼす可能性があります。

このブログでは、移行における7つの最大の課題と、それを克服する方法をご紹介します。

1. 十分に理解されていなく、文書化されていないレガシープロセス

どのような種類のシステム移行にも着手する前に、プロセスの状況を把握する必要があります。高度にカスタマイズされたアプリケーションの中でどれがビジネスに不可欠なものなのでしょうか?10年以上前に自社開発された、ばらばらのシステム上のプロセスの中でどれが破棄可能なものなのでしょうか。

これを機に、小麦と籾殻を選別しましょう。なぜなら、無差別にすべてのプロセスを新しいシステムに移行することは、屋根裏部屋や地下室に散らかっているものをそのまま持って新しい家に引っ越すようなことだからです。

また、古い家具をすべて処分したとしても、新しい家具が新しい家にどのように収まるかを考えなければなりません。システムの移行でも同様です。まっさらな、グリーンフィールドのアプローチでゼロからの導入を決定したとしても、より良いものを設計する前に、ビジネス要件を詳細に理解する必要があります。

移行のアプローチがグリーンフィールド、ブラウンフィールド、ハイブリッドのいずれであっても、移行する要素を決定する前に、ITエコシステム全体のプロセスをマッピングします。Celonisのプロセスマッピングテンプレートがそれを支援します。

ここで、次の課題が浮かび上がってきました。

2. 事前の標準化の欠如

システム移行が家の引っ越しのようなものだとしたら、標準化は、すべてのものを箱に詰める前にタンスの中を整理するようなものだと考えてください。しかし、部屋ごと、箱ごとに整然と整理するのではなく、部署ごと、プロセスごとに整理する必要があります。

あなたが必要としないか、または実際にずっと使用していなかった全てを取り払って下さい。あなたの会社では、調達部門が発注書をファイリングする方法は50通りも必要ですか?注文管理担当者は、カスタム注文処理アプリを本当に使っていますか?

プロセスパスが明確に定義されていないと、古い問題を新しいシステムに複製するだけになってしまいます。標準化の欠如は、通常、システム移行時にエラーが連続して発生する原因へとつながります。最悪の場合、プロジェクトを完全に放棄しなければならないかもしれません。

移行を成功させるには、データ駆動型のアプローチが必要です。

先見の明のある企業が、移行そのものに時間と労力をかけるのと同様に、既存のプロセスの合理化にも時間と労力をかけているのはそのためです。KPIを追跡する。プロセスのベンチマークを行い、何がうまくいっているのか、何がうまくいっていないのかを確認します。標準プロセスからの逸脱による、その先のプロセスへの影響を理解し(例:マスターデータと請求書の間の支払い条件の不一致により、買掛金の支払いが、本来の取り決めより早まる等)、ビジネスに影響を与える非効率な箇所を排除します。

3. 面倒でコストのかかる主観的なプロセスマッピング

現在のプロセスを理解することは、組織全体でプロセスのバリエーションがどのくらいあるのか、パフォーマンスの問題がどこにあるのか、改善に投資する価値があるのか、を知る上で非常に重要です。

そのため、プロセスをマッピングすることは、通常、システム移行の最初のステップとなります。しかし、従来のプロセスマッピング手法では、企業は通常、1週間に及ぶマッピングワークショップやユーザー調査のために大量のコンサルタント雇うため、時間とコストがかかります、それだけでなくエラーが発生しやすいのも事実です。

確かに、ワークショップやアンケート調査は、ビジネスユーザーから貴重な意見を得るための有用なツールではありますが、それだけが真実の情報源であるべきではありません。なぜでしょうか?

ワークショップやアンケートは、ユーザーが実際にどのように行動しているかではなく、主観的な意見や理想化されたプロセスモデルに基づいていることが多いからです。せいぜい、プロセスのスナップショット、或る1時点でのプロセスの姿しか得られません。プロセスマップが完成してもすぐに陳腐化してしまいます。さらに悪いことに、不正確なプロセス文書は、システム移行のその後のすべてのフェーズを危険にさらす可能性があります。

必要なのは、業務を客観的に見ることです。プロセスの非効率性や改善の機会がどこにあるのかについて、直感(または部屋の中の「声の大きい」利害関係者)を信頼するのではなく、データに仕事をさせてください。

4. 不完全なフィット&ギャップの分析

新しいシステムに移行する前に、レガシープロセスついて知っておくだけでなく、次にどこに行きたいのか分かっている必要があります。将来的にはどのようなプロセスになるべきなのでしょうか?貴社にはどのような機能的、運用的、技術的な要件がありますか?そして、新しいシステムはそれらの要件を満たすことができますか?

フィット&ギャップ分析は、まさにそのようなことを行います。

通常、一連のワークショップでは、プロセスオーナー、システム協力会社、外部コンサルタントが、既存のソリューションの要件とギャップを定義し、新たなプロセスフローを開発し、ベンダーの標準ソリューションで、どの要件を満たしているかを評価します。

しかし、初期のプロセス文書がすでに部分的で主観的で不完全なものであれば、フィット&ギャップ分析で設計したソリューションも同様です。しかし、それぞれの利害関係者の専門知識、経験のギャップは、必然的に欠陥のあるプロセスモデルにつながり、問題が発見されるのは本番になってからになります。

例を挙げてみましょうか。例えば、ある中小企業では、高価値の購買要求に対して追加の管理者承認ステップが重要なギャップ、未対応事項になっているとします。しかし、もしあなたが考えている方法ではなく、あなたがプロセスを実際にあるがまま見ていたとしたら、この高価値の購買要求は実際には1%未満のケースでしか発生しないことが分かるでしょう。自己申告だけに頼っていると、例外的事項をギャップ、未対応事項と勘違いしてしまいがちです。

さらに悪いことに、フィット&ギャップ分析の弱点があれば、予期せぬ移行問題を修正するために、予定外のスケジュールや予算外の作業を行う可能性が高くなります。

行きたい場所(そしてそこに到達するために何を修正する必要があるのか)を明確にしておくためには、実際のプロセスデータを活用する必要があります。現在のユーザーフローが、移行先のプロセスに対してどのように積み上がっているか(標準手順を逸脱する根本原因を特定することも含めて)を測定して初めて、問題が明らかになる前に修正することができます。

5. 新しいシステムやプロセスにユーザーが馴染まない

システムを変更するということは、必然的にビジネスの運営方法を変更することを意味します。しかし、何年も、何十年もそのシステムで作業をして、特定のプロセスフローに従事していると・・・システム移行の最も難しい部分は、エンドユーザーの理解を得ることです。

簡単に聞こえるかもしれませんが、ユーザーが新しいシステムを利用しなかったり、慣れないシステムでプロセスに従うのに苦労したり、手動の回避策を考えだしたりした場合、せっかくの移行の努力が、ROIを生み出す可能性はほとんどありません。

ビジネス変革に関するマッキンゼーのレポートによると、変革プログラムの70%が目標達成に失敗しており、その主な原因は従業員の抵抗と経営陣のサポート不足です。しかし、調査によると、支援体制が適切に運営され、現場での実践指導が行われることにより、価値の実現を70%加速させることができます。

だからこそ、ビジネスユーザーと経営幹部の両方の主要なステークホルダーを最初から巻き込み、新しいソリューションが本当に彼らのニーズに合っているかどうかを確認する必要があるのです。営業幹部は新しい販売機会を明確に把握できていますか?買掛金部門は請求書を迅速に処理できていますか?経営陣は最適な情報に基づいて意思決定を行うために適切なレポートを入手できていますか?

重要な移行フェーズでは定期的なチェックインを行い、早期にユーザーをトレーニングします。定期的なステータスレポート、リラックスした場での意見交換、FAQ、ニュースレター、ユーザーアンケートを実施することで、移行期間中も従業員の関心を維持することができます。コミュニケーションは秘密兵器です。

テクノロジーも同様です。

AI、プロセスマイニング、自動化などのテクノロジーは、導入を監視し、システム移行のROIを促進するのに役立ちます。自動化された次のベストアクションの推奨は、新しいプロセスを介してユーザーを誘導し、ユーザーの行動を修正することができます。AI を活用したプロセスマイニングは、ユーザーの取り組みの障壁を発見し、関連部門全体のユーザーの行動をリアルタイムで監視するのに役立ちます。

Schlumberger(油田サービス会社)を例に考えてみましょう。この会社は、プロセスマイニングを使用してシステム移行に要した費用を4,000万ドル、かかる時間を2ヶ月、節約しました。変更管理とユーザー支援のフェーズでは、ユーザーのトップ層レベルから、決められた正しいプロセスを遵守しているか追跡し、彼らの行動を修正することができました。一方で、エンドユーザーにデータを与えることで、自律的に行動を修正できるようにしました。

6. プロセスパフォーマンスへの洞察の欠如

システム移行の取り組みは、ビジネスリーダーとエンドユーザーの両方にとって、システムが生み出す実際の価値について、ブラックボックスになっていることが多々あります。そのため、システム移行によるビジネス成果の進捗状況を追跡することは、期待値を管理し、リーダーシップの支持を維持する上で非常に重要です。

結局のところ、経営陣がシステム移行に何百万ドルもの費用をかけたのであれば、プロセスの変更と達成したビジネス成果との間に直接的な相関関係があることを示すことができるはずです。

しかし、ここで事態は複雑になります。多くの企業は、最適化の効果をリアルタイムで捕捉することに苦労しています。さらに、KPIの変化の背後にある根本的な原因も掴めていません。

その結果、システム移行の取り組みでは、それが、企業が設定したビジネス目標に貢献していることであるとアピールするのが難しくなっています。

システム移行が真にビジネスに影響を与えることを保証するために、いくつかのチェックインポイントを集めました。

  1. プロセスパフォーマンスを監視し、現状とあるべき姿を比較する。移行前と移行後の主要なKPIを比較することで、ビジネス成果に向けた進捗状況を追跡します。

  2. 新たに移行したシステムで実行されている新しいプロセスを可視化し、ツールやプロセスがユーザーにどの程度利用されているかを追跡します。

  3. 新しいプロセスの利用を避けた、手動のステップや回避策の障壁を取り除きます。

  4. AIを活用したアラートと自動化を活用して、KPIに影響が出る前にユーザーの行動を修正します。

  5. コラボレーションツールを使用して組織全体を巻き込み、長期的にプロセスの改善を継続する。

7. リーダーシップのサポート不足

よくあることですが、システム移行は、企業、特にトップレベルの経営陣が興奮するようなプロジェクトではないと言われます。

しかし、適切な技術が活用されることで、皆からすぐに賛同を得るのに必要な自信や透明性が、あなたのリーダーシップに付加されるとしたらどうでしょうか?システム移行でよくある落とし穴を回避できるだけでなく、最終的に目指すビジネス成果を達成できるソフトウェアがあったらどうでしょうか?

世界中の企業が、プロセスマイニング、自動化、AIなどのさまざまなテクノロジーを組み合わせ、システム移行の各段階をサポートするソリューションの可能性を試しています。

プロセスを客観的に見ることができるソフトウェアを考えてみてください。

経営陣に何が起きているのかを明確に把握させることができ、さらに、ビジネスユーザーとITの両方が協力して作業できるような直感的なダッシュボードを用意できるソフトウェアを考えてみてください。

そして、ビジネスの成果をすべての行動の中心に据えた、次のベスト・アクションを提案できるソフトウェアを考えてみてください。

最初からデータを活用し、プロセスの各段階でデータを活用することで、初めて、ビジネスユーザーとのワークショップや定期的な経営陣への説明会などを実施してシステム移行を成功させる可能性を高めることができるのです。

TOPICS一覧に戻る