DSC 8846
TOPICS一覧に戻る

CeloUG (Celonis ユーザー会) 第三回全体会議を開催しました

2023.1.19

CeloUG(Celonisユーザーグループ)では、第三回となる全体会議を2022年11月25日(金)に開催しました。今回は、参加者の相互の情報交換とネットワーク構築に活用していただくことを目的に、コロナ禍の状況を注視しつつ、皆様に会場にお集まり頂く対面での開催として実施し、全国から43名の方にご参加いただきました。どうもありがとうございます。

【プログラム】

第一部:16:00~18:00

  1. 開会の挨拶 近藤 裕司氏(KDDI株式会社 技術統括本部 次世代自動化開発本部 オペレーション基盤開発部 副部長)

    谷原 一寛氏(パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社 オートモーティブ社 インフォテインメントシステムズ事業部 コネクテッドDAビジネスユニット Android商品開発センター プロダクトマネジメント部 部長)

  2. 導入事例のご紹介 倉谷 康広氏(ネットワンシステムズ株式会社 カスタマーサービス本部 ビジネスマネジメント部 マネージャー)

  3. Celonis 製品アップデート情報 寺田 有汰 (Celonis株式会社 ソリューションエンジニアリング マネージャー)

  4. グループディスカッション

第二部:18:00~19:00

懇親会

第一部では、最新のユーザー様導入事例に引き続き、11月にミュンヘンで開催された世界最大規模のプロセスマイニング ユーザーカンファレンスCelosphere 2022で発表された製品の情報をご紹介しました。さらに、グループディスカッションの時間を設け、参加者の皆様の意見や議論が、活発に交わされました。第二部では、ユーザー様同士の親睦を深め、居心地の良い横の繋がりを作っていただけるよう懇親会を実施し、相互の有益な情報交換、意見交換の場としてご活用いただきました。

1. 開会の挨拶

最初に、理事の近藤氏、谷原氏より、自己紹介の後、初参加のユーザーの方が多数いらしたため、改めてCeloUGの概要と活動方針が紹介されました。その際、参加されているユーザーの方々の意見を取り入れて、理事会で今後も全体会議の企画・運営を心がけていくと説明されました。

JP - Blog - CeloUG 3 - 1 JP - Blog - CeloUG 3 - 2

2. 導入事例のご紹介:ネットワンシステムズ株式会社

ネットワンシステムズ株式会社カスタマーサービス本部 ビジネスマネジメント部 マネージャーの倉谷氏から、「Celonis導入プロジェクト 背景とNOSからの期待」と題し、自己紹介に続き、NOS中期経営計画、本投資の期待効果、投資内容と狙う効果、スケジュール、体制についてご講演いただきました。

JP - Blog - CeloUG 3 - 3

2022年4月に、保守・リモート運用部門の業務分析と改善の指示があり、課題の洗い出しを実施する中で、感覚値ではなく、実際の業務プロセスを細かく分析することが必要となりました。また、同社の中期経営計画の中に、徹底的な見える化が会社の方針として挙げられており、その一環として、Celonisを導入することになりました。

Celonisを選定した理由として、以下の3つを挙げました。

  • ServiceNowとの親和性が高い

  • 可視化や分析に留まらず、自動化など後の改善につながる機能の充実している

  • Start-to-endではなく、プロセス単位で改善効果を得ることができる

JP - Blog - CeloUG 3 - 4

また、製品の保守業務から導入した理由としては、13,4個ある製品保守のプログラムのうち、半分以上がServiceNow上に業務情報が集約されており、Celonisを活用した分析に適していると判断しました。

従来はチケット単位で顧客からの問い合わせ対応の分析を行っていましたが、それでは、どのような処理に、どのくらい時間がかかっているのかが分かりませんでした。複数の改善施策を行った場合、施策毎の改善効果が明確にならないため、Celonisを導入し、プロセスの可視化ができたことで、改善ポイントが明確になりました。

導入を進める上で、最難関は、データをリアルタイムでCelonisに取り込めないこと、また、保守データには顧客情報が含まれており、社内のセキュリティ上、クラウドのCelonisに取り込むことができないため、今回はトライアルなので、オフラインのデータ3か月分で分析を実施しました。そして、間に中継のクレンジング用システムを挟み、この課題を解決する準備を進めていると説明されました。

JP - Blog - CeloUG 3 - 5

プロセスマイニングを活用し、ServiceNowから抽出できるログをまず分析し、少しずつ可視化を進めましたが、課題や改善点が不明瞭であったため、分析のためのデータを追加していきました。その結果、見えるポイントが増え、改善ポイントが鮮明になりました。オフラインのデータであっても、15の打ち手と、改善による効果が数値化されてきたと説明されました。現在、その15の打ち手に優先順位をつけ、実行にむけ計画立案をしているとのことです。

まとめとして、以下の3つを挙げられました。

  • クラウドに繋がらなくても、オフラインの限られたデータでもやれることはある、

  • 感覚で捉えていたことが、数値化されたことで、説得力が増した

  • 分析により、想定以上の改善効果が見込まれるプロセスが発見できた

そして、Celonis社について、以下のように述べられました。

  • Celonis社の蓄積されたナレッジやベストプラクティスの情報が分析対象選定時に有用であった

  • 同社の状況や事情に合わせた、柔軟な対応がプロジェクトの推進力になった

  • 理想論で終わらず、結果が出るまで付き合ってもらえる安心感

最後に、データが完全でなくても、できることはあるので、勇気をもってやってみることが重要であると締めくくられました。

ネットワンシステムズ様の導入事例が公開されていますので、こちらも是非ご覧ください。

そして、講演の最後に、活発な質疑応答も交わされました。

3. Celonis製品アップデート情報

続いて、弊社ソリューションエンジニアリングマネージャーの寺田より、11月にミュンヘンで開催されたCelonisの年次ユーザーカンフェランス「Celosphere2022」で発表された製品のうち、Celonis Process Sphereについて、デモを交えて説明しました。

JP - Blog - CeloUG 3 - 6

ProcessSphere の大きな特徴は、オブジェクトセントリックプロセスマイニングの研究成果を初めて実用化し、顧客にビジネスに対する新しい3次元の視点を提供することができるようになりました。これにより、従来の単一のプロセスのマイニングから、プロセス全体をマイニングし、完全に把握することが可能になったとのことです。まさに、2次元のビジネスのX線写真から、3次元のMRIの画像に進化したと紹介しました。そして、アマゾンでの注文を例に、納品と受注の関連性、受注と出荷の関連性を調べたい場合など、部門横断型のプロセスを完全に可視化することができるようになったことを、デモとMars社の事例を交えて説明しました。例えば、受注した製品の納期が遅れている場合に、受注プロセスのどこで問題が発生しているのかを発見するだけでなく、その原因となる製品の発注などの購買プロセスまで分析し、それぞれの交差するところでなにが起きているのかも確認できるようになると紹介しました。

JP - Blog - CeloUG 3 - 7

最後に、日本向けにCelosphereの内容をダイジェストでお届けするウェビナー「The Best of Celosphere Japan 2022」を紹介して、締めくくられました。

*The Best of Celosphere 2022 Japanの内容を現在オンデマンドで配信中です。是非こちらからご覧ください。

4. グループディスカッション

続いて、参加者全員を1グループ8-9人の5つのグループに分け、以下から1-2個トピックを選び、ディスカッションいただきました。

トピック

  1. Celonisを始めるタイミングについて

  2. プロセスマイニング適応業務選定までの進め方について

  3. プロセスマイニングで改善サイクルを回すための組織体制について 

  4. Celonis習熟度向上に向けた取り組みについて

  5. 今後CeloUGでやりたいこと、取り上げとほしいこと

JP - Blog - CeloUG 3 - 8 JP - Blog - CeloUG 3 - 9

それぞれのグループで話し合われたことを各グループの代表より発表していただきました。

1. Celonis を始めるタイミングについて

このトピックを選んだグループでは、ERPを導入するタイミング(BPRに活かす)や、1インシデントあたりの本当の単価を把握したいなどの意見がでました。

そして、課題としては、

  • 現場が変化を嫌う

  • 動機付けが大変(業務改善のオーナーシップがないと進まない)

  • データが取れない(入力していない、レガシーなシステム)

などが挙げられ、そして、解決に向けたポイントとしては、

  • 活用推進に向けてはどこがコストを持つかがポイント(改善意識がある人がオーナーになるのがベスト)

  • これまではプロセスを作ってから後付けでKPIを管理するやり方であったが、データドリブン経営は、プロセスを組む前にモニタリングすべきKPIを明確にする

などの意見がでたと発表されました。

2. プロセスマイニング適応業務選定までの進め方について

このトピックを選んだグループでは、Celonis導入の経験の浅いユーザーが多く、

  • やってみたら何か見えそうなところから始める

  • 業務としての改革をキーに実施する

  • コンサルやシステム開発元の協力が得られる事や、複数システム含め、論理設計、デザインできる人をアサインする

  • SFDC、SAP(FI)、SerivceNowなどのログが取れやすいシステム、分析できるデータがあるところ、コネクタがあるところなど、始められるとことから始めるとよい

と言った意見が紹介されました。

3. プロセスマイニングで改善サイクルを回すための組織体制について 

このトピックを選んだグループは複数あり、1つ目のグループで挙げられたポイントは以下の通りです。

  • 効率化は現場には響かないので、不健全な忙しさからの脱却をメッセージにする

  • まずは思いを伝えて、テクニカルに証明していく

  • ITが裏でこっそりデータを利用して、結果を提示するなど、小さな成功体験を作り、共有、拡大する

  • 削減できたリソースを別業務へ展開し、業務面が楽をできるように現状を可視化して無駄を削減する

また、その他のグループでは、以下のようなポイントが発表されました。

  • 実務業務が分かると改善ポイントが見える

  • 改善チームの創設(業務を第三者視点で分析する)

  • 利害関係者の巻き込み、上から落とすとやり易

  • PoVで結果を提示し、事実を積み重ねて推進する

4. Celonis習熟度向上に向けた取り組みについて

このトピックを選んだグループは、まず、データエンジニアリング(分析前に、SQLを書く人)、データを分析する人(業務部門でインサイトを深堀する人)、そして、それをフォローするため数値を読み解く人の3つのロールモデルが必要な人材と定義しました。そして、議論のポイントは以下の通りです。

  • 課題をしっかり持っていないと習熟度が上がらないが、現場と経営層では課題が異なるので、現場でのコミュニケーションでは、うまく課題を聞き出すことが重要

  • LoB側で使う場合でも、最初はIT側で画面を準備するなどハードルを下げて対応することが大事

  • 自走するためにアクセルを踏む必要があるが、アクセルを踏むためには数値目標が必要

  • もちろんSQL等の知識も必要だがIT知識よりも改善したい気持ちのある人の参画が必要

5. 今後CeloUGでやりたいこと、取り上げとほしいこと

  • 分析からどのように自動化につなげるのか?

  • データ量の増加をどのように抑制していけばよいのか?

そして最後に、理事の近藤氏、谷原氏の両名ともに、対面でディスカッションすることで、各社、各自が抱えている共通の課題を再認識することができたので、今後も可能な限り、対面で開催し、議論を深めていきたいと締めくくられました。第二部では和やかに、ユーザー様、Celonis社員との歓談がなされました。

JP - Blog - CeloUG 3 - 10

参加された方から、以下のようなコメントを多数いただきました。どうもありがとうございました。

  • グル-プディスカッションを通して、他社の状況や事例に触れ、悩みを共有でき、今後の展開の参考になりました。

  • 他社事例や各社の状況など、生の声を聴ける機会は非常に刺激になり、参考に出来る情報も得られたので、貴重な機会となりました。

  • 懇親会では、グループディスカッションで語り切れなかった会社の苦労や事例について、理解を深めることができた。

  • 導入に向けての困りごとや、実際導入しているユーザー様の声を聞けて、大変勉強になりました。

JP - Blog - CeloUG 3 - 11

次回、第三回CeloUG全体会議は、2023年3月頃に開催が予定されています。Celonisユーザーコミュニティの活動に参加ご希望のユーザー様は以下までご連絡ください。

問い合わせ先:CeloUG事務局(Celonis株式会社内)marketing-japan@celonis.com

TOPICS一覧に戻る
Dear visitor, you're using an outdated browser. Parts of this website will not work correctly. For a better experience, update or change your browser.