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CTCソリューション“Celonis for CS”はカスタマーサービス業務のDXを確実に加速させる

Satoshi Ueda
上田 聡(Satoshi Ueda)
エバンジェリスト
Celonis株式会社

2021.8.17

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:柘植 一郎、本社:東京都港区、略称:以下「CTC」)ではプロセスマイニングツールCelonisの豊富な顧客導入経験を活かして開発したカスタマーサービス業務支援ソリューション”Celonis for CS”の提供を8月より開始しました。”Celonis for CS”とはどのような仕組みのソリューションなのか、CTCの強みは何か、そして、これによりカスタマーサービスを担うユーザーの業務は如何に改善されるのか、当ソリューションの開発を担当されたCTC サービススプリントチーム  DXスプリント課 プロセスデザイナー 田中貴康氏にお話を伺いました。

JP - CTC - Blog Image - Speaker

Celonis for CSとは

<どのような業種を対象にしているのか>

田中氏:金融系の損害保険や生命保険、そして製造業など、顧客を相手にコンタクトセンターを必要とする企業に向けたソリューションである。必ずしもここで挙げた業種だけでなくカスタマーサービス部門がある業種であればどのような先でも利用できる。業務としてはコールセンターだけでなく、お客様からメールや電話、Webなどでのコンタクトがありそれにより以降のサービスプロセスが動き出し、顧客への配送などに至るものが対象。

個人顧客を対象にしたBtoCだけでなく法人相手のBtoBの分野についても対応可能なソリューションである。また、ユーザーインターフェースにAIやチャットボットなどを利用した先進サービスについても問題なく電子データを採り入れ対象とすることができる。 <カスタマーサービス業務の現状と課題は>

田中氏:カスタマーサービス業務では顧客対応品質の向上や業務の改善に取り組んでいるが、問い合わせの受付や対応の方法の多様化に伴いITシステムも多岐にわたり、個別システムからの情報や、スタッフへのヒアリングやアンケートなどに基づいて施策を実施している場合が多く、業務全体の把握や改善につなげられていなく、いくつかの課題があると認識している。(図1「カスタマーサービス業務の8つの課題」)

例えば現場マネージャーは、新サービスがリリースされた際にそれがプロセス上のどこのステップでスタックしているのか業務フロー分析ができていなかったり、KPI指標管理をしてはいるもののそれに基づいた原因分析まで深掘りできていなかったりする。また、経営層になるとガバナンスへの関心が高まるが、インシデント統制が十分機能していない、運用ルールがインシデント削減に効果を発揮していない、などの悩みを抱えている。

図1

JP - CTC - Blog Image - 1

<”Celonis for CS”はどのような仕組みで課題を解決するのか>

田中氏:様々なシステムの動作記録であるログを自動的に集積して分析し、業務全体の可視化や改善を可能にする「プロセスマイニング」の手法を用いて、カスタマーサービスの品質や業務の改善を支援するソリューションである。

問い合わせ管理や社内でのエスカレーション管理などのシステムの操作ログを分析し、業務全体のプロセスのフローパターンを可視化して、業務の滞留が発生しているボトルネックとなる箇所を発見し、工数情報等の可視化により例えばRPAで代替え可能な処理などを特定することが出来る。これらのことを現状環境の変化なしで実現する。

具体的には、受付数や応答率、平均処理時間など、カスタマーサービスで使用頻度の高い複数の定量値(KPI)を一覧表示する統合画面や、スタッフごとの稼働率や対応件数などの生産性を分析する画面などをあらかじめ備えており、それらKPIをCelonisが持つグローバル2,000件を超える導入実績から導出したベンチマークKPIと照らし合わせて、導入後すぐに業務改善に取り組むことが可能である。

CTCとしての強み

<これまでの他のソリューションには無いアピールポイントは>

田中氏:今回のソリューションではCelonis上で利用できるカスタマーサービス業務向けアプリケーションコンポーネントをCTCがあらかじめ作っている。それを利用することにより、お客様は迅速にCelonisの導入が可能となり、より早くカスタマーサービス業務での改善のポイントを見つけ出し、改善実践へと取り組んでいくことが出来る。

このCelonisの導入に加え、CTCはお客様への業務コンサルティングサービスも提供する。Celonisを使いこなすことを支援するだけでなく、現地業務観察による課題発見や業務改革プランの策定、プランの実行支援やモニタリングなど、お客様の業務改革遂行に伴走して支援サービスが提供できる。(図2「(ご参考)伴走支援例―業務改善手法」)

図2

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<ソリューションにはCTCとしてどのような強みが生かされているのか>

田中氏:CTCはこれまで他社に先行して2年余にわたりカスタマーサービス分野も含め幾つものCelonis導入実績があるのが一番の強みである。これまでの経験でこのカスタマーサービスの分野についてCRMとも絡めてデータを持っている。

また私自身、運用の現場での経験もあり、SIer目線だけでなくオペレター目線からもお客様の業務でどのようにしたらCelonisを効果的に活用できるかを考え開発したのが今回の「Celonis for CS」である。

さらに、CTCにおいては他のコールセンター系やCRM系のソリューションなども含め多様なシステムを取り扱っており、各分野でのエキスパートを擁している。それら社内エキスパートとのナレッジ共有により他のアプリケーションも含めて一気通貫でお客様を支援することが出来るのもCTCの強みである。

<Celonisをツールとして採用した理由は>

田中氏:Celonisが一番強いと感じるのは、連携するシステムを問わないところである。様々なシステムとのAPIを持っており、理論的にはデータにIDとアクティビティそしてタイムスタンプがあればどんなシステムとも繋げられる。企業がDXを推進する上で、いろいろなシステムからデータを連携し、まとめて、時系列に並べて分析ができるツールとしては唯一無二の存在ではないかと考える。

さらに、先にも述べたが、現行のシステム環境を変えなくてもいいところが強みであると考えている。

あと、改善アクションができるところも優れている。プロセスを管理しアラートがあげられる事や、自動化を促進できる部分が強みだと考える。

これらのことが、Celonisだけで一気通貫でできるところが良い、ひとつのプラットフォームでこれらが完結しているツールは他には無い。

導入効果、現場の声

<現場の業務としてはどのような改善が期待されるのか、現場の声は>

田中氏:先にお話しした課題の裏返しになるが以下のようなことが期待できる。

  1. 顧客行動分析ができるようになるのでそれに応じた打ち手が明確になる。

  2. プロセスのどこを変えるとどうなるのかシミュレーションも入れられるので、やろうとしているプロセス改善で削減される工数が明確になる。

  3. KPI値が変動した時に、それが何によるものかその原因が明らかになる。

  4. プロセス改善のBefore & Afterの比較が定量的にできるのでどの施策に効果があるのかが明確になる。

  5. 業務全体を俯瞰できるため、RPAなどによる部分最適化で業務全体としての効果が不明瞭なまま終わってしまうようなことも防止できる。

  6. インシデントに関してもメールなどのアラートの発信がされ、状況によってはプロセスをストップさせダメージの拡大を断ち切ることもできる。

DXとして、個々の業務ではなく俯瞰的にプロセス全体のデザインの見直しをかけるためにはプロセスマイニングの考え方は必要であろう。

典型的なお客様の声のとしては「見えてないことが結構多かった」というコメントが非常に多い。実際にCelonisを導入してフローが可視化され、それまで持っていた感覚と実状との違いをお客様が再認識する場合が多い。また、「今まで出来ていなかった多面分析ができる」との声もある。年齢層による顧客行動の違いなど、このツール以外で捉える仕組みを作るとなると、なかなか難しい。

<導入に必要な期間はどれくらいか>

田中氏:2か月トライアルをして、お客様の状況にもよるが2~3か月で導入を行い、その後スコープを段階的に広げて業務改善を行っていくのが標準パターンである。

<今後の展開予定について>

田中氏:今後はCTCが取扱っているコールセンターやCRM関連など他のツールとも連携させて、End to Endで業務のデジタルツインが出来るように、このソリューションを拡張させていきたい。

最終的には、PC未利用の領域である、電話・FAX・郵便などでの受付作業や、ピッキング・梱包・ファイリングなどの物理作業などの部分もDXを進めてデジタルデータ化し、ソリューションに取り込みたい。

さらに付け加えると、業務フローの可視化だけでなくマーケティング、UX(ユーザーエクスペリエンス)の領域にも機能を拡げたいと考えている。テキストマイニングや顧客の音声を基にした顧客行動分析(VOC)なども取り入れたものにして、予測機能なども組み入れて、顧客がコンバージョンに至るまでの過程から追えるようになると、このソリューションが現場により浸透しやすくなるのではないか。

このソリューションが取り組めることはまだまだたくさんあると考えている。

インタビューを終えて

CTC田中様のお話を伺い、改めてプロセスマイニング、そしてCelonisの可能性を再認識させられた気がします。

プロセスマイニングは業務の可視化、プロセスの透明化による業務効率化という観点で語られることは多かったのですが、PC未利用領域の情報のデジタルデータ化などを含め様々なデータを予測機能などにも活用することでマーケティング業務など、さらに活用の領域を拡げ、DX推進に向けて新しいことにチャレンジできる可能性があると、今回お話で気づかされました。

これも、幅広くソリューションを取り扱い多彩な人材をそろえるCTCの懐の広さに依るところが大きいのかと思います。

今後の”Celonis for CS”の発展がカスタマーサービス業務のDXを確実に加速させるのではとワクワクさせられました。

尚、今回の取材に関連して、CelonisではCTCと共同で、8月26日(木)16:00-17:00にWebinar「世界最先端事例、カスタマーサービスにおけるプロセスマイニング最新事例のご紹介~DX化を加速させる業務モニタリング・改善プラットフォームの活用法~」を開催します。今回インタビューをさせていただいた田中様にもご登壇頂き”Celonis for CS”につきご講演いただきます。詳細は以下のURLをご参照ください。

申し込みページ:
https://www.celonis.com/jp/webinar/japan-ctc-20210826

さらに、Celonisでは10月12日(火)に、昨年に続き今年もWorld Tour 2021 Japanを開催いたします。多くのお客様導入事例、そしてCelonisの最新ソリューションについて発表がありますので、是非こちらもご参加ください。

申し込みページ:
https://www.celonis.com/jp/world-tour/japan

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